著者:嶋田 賢三郎
著者は粉飾決算を出した時のカネボウの常務取締役。
財務経理を担当していた方である。
粉飾に至った経緯を赤裸々に綴っている。
当時の社長・副社長、カネボウの監査を担当していた公認会計士は証券取引法違反で逮捕され、起訴されたが、この常務は起訴を見送られた。
起訴を見送る判断をしたのは検察である。検察としては、公認会計士を逮捕し、監査業界への警告を打ちたかったのであろうと考える。
粉飾に反対だったとはいえ、イヤイヤながらも粉飾の指揮をした点は経営者として失格であると考える。
辞任することが正道であろう。
無罪とはなったが、この本を出版し、経緯を赤裸々に語り、私は悪くないと述べている姿は気持ち悪い。
反面、例えば、
カブドットコム証券株式会社の社外取締役を潔く辞任した方もいる。
磯崎弁護士、佐藤丈文 弁護士である。
信念に反する道である際は、辞する強さを私も持ちたいものだ。